私の住むフィリピン・セブでは、絹ごし豆腐がそこそこ入手困難です。
2年ほど前までは、セブにあるSoy & Beanというチェーンのお豆腐屋さんでJapanese豆腐という名の絹ごし豆腐が買えたのですが、ここ1年以上はどの店舗に行っても買えていませんでした。
一方、このHao Hao豆腐の絹ごし豆腐なら、SM系列のスーパーに行けば今でも買えることが多いです。
ですが、上の記事でも書いたように、Hao Hao豆腐はスーパーで買ったときに傷んでいることが結構多いんですよね…。
そのため、鍋や肉団子、豆腐白玉や麻婆豆腐など、火を通す料理には使いますが、そのまま冷や奴にするのはちょっとためらわれるんです。
そこで、豆乳を買ってきて簡単に固めることで冷や奴もどきを作りました。
ゼラチンと寒天の2パターンで作って食感を比べてみた結果と、もう1つの凝固剤・硫酸カルシウムについて調べたことを共有したいと思います。
豆乳+ゼラチン/寒天でつくる簡単冷や奴
今回使うゼラチンも寒天も、セブにある製菓材料店「Caro & Marie」で買ったものを使います。
そして豆乳は、Soy & Beanで砂糖やフレーバーの入っていないものを買ってきました。
普通のスーパーでも豆乳は売られていますが、よく見ると砂糖やバニラフレーバーなど余計なものが入っている商品がとても多いので、料理に使うにはシンプルなSoy & Beanの無糖豆乳(Classic Unsweetened Soy Milk)がおすすめだと思います。
店舗により微妙に値段が違いますが、上のITパーク支店では500mlのものが69ペソでした。
<豆乳とゼラチン/寒天でつくる簡単やわらか冷や奴 材料 1人分×2パターン>
- 無糖豆乳 300ml
※Soy & BeanのClassic Unsweetened Soy Milk - ゼラチン 小さじ1
- ゼラチンふやかし用の水 大さじ1
- 粉寒天 大さじ2
- 葱・生姜・かつお節・醤油など 適量
※ゼラチンも粉寒天も、フィリピン・セブのCaro & Marieで買ったものの場合の分量です。日本のゼラチンや粉寒天だと水分量に対する適量がまた変わってくると思うので要注意です。
①ゼラチンバージョンを作ります。
粉ゼラチン小さじ1を大さじ1の水に振り入れて5分置き、ふやかします。
②耐熱ボウルに無糖豆乳150mlを入れ、電子レンジで沸騰しないけどうっすら湯気が出る程度まで温めます。冷蔵庫で良く冷やした豆乳の場合、うちのレンジでは上から二番目の強さで1分10秒くらいでした。
温まった豆乳にふやけたゼラチンを加え、よく溶かします。
③次に寒天バージョンを作ります。
鍋に無糖豆乳150mlと粉寒天大さじ2を入れ、よく混ぜてから弱火にかけ、たえず混ぜながら煮溶かします。湯気が出始めてから2~3分は火を通します。
寒天がしっかり溶けたら火からおろし、粗熱をとります。
④器に入れて冷蔵庫で2時間以上冷やし固めます。
画像の手前が寒天バージョン、奥2つがゼラチンバージョンです。
同じ150mlの豆乳を使っているのに、寒天の方は火を通す分ちょっと蒸発するので量が減ります。
⑤冷蔵庫で2時間半ほど冷やし、固まったので比較していきます!
熱湯ではないお湯を入れた器につけてから逆さまにしてお皿に出しました。
左が寒天、右がゼラチンで作ったものです。寒天の方が黄色っぽい見た目です。
まず、ゼラチンバージョン。豆乳150mlにCaro & Marieの粉ゼラチン小さじ1という配分だと、固すぎず、やわやわ感がちょうどいい具合でした。
余計な味が無いので豆乳の味だけで、いい感じに豆腐っぽい仕上がりでした。
葱や醤油、生姜をかけるとしっかり冷や奴として楽しめます。
もう少しゼラチンを増やすとゼリーっぽい弾力が出て、食感が豆腐から離れてしまう気がします。
一方、寒天の方は、、今回お菓子以外に使って初めて気づきました。Caro & Marieの”Unflavored”と書かれた粉寒天、砂糖入ってました!!
醤油をかける前に一口食べてみて、その想定外の甘さに驚きました。
そして、寒天特有のちょっと固い舌触りも、豆腐感を損なっています。
なにより甘みがどう考えてもデザートで、全然冷や奴感がありませんでした。
寒天冷や奴は失敗!です。
でも、黒蜜ときなこをかけて、しっかりとデザートとして楽しみました。
これは別物として、美味しかったです!!
結論として、冷ややっこ風に食べる時は、豆乳150mlにゼラチン小さじ1(+ふやかし用の水大さじ1)が良いです。
翌日にはこの配合で、試しに塩を1つまみ加えて作ってみました。器は150mlの水分がちょうど入りそうな蕎麦ちょこです。
するとなぜか、豆乳成分が下に沈み、表面に5ミリほどの透明な層ができた状態で固まりました。塩を入れたからなのでしょうか?
でも味は変わらずで美味しかったです。塩分は醤油で補えるので、次からは塩なしで作ります!
このやわらか豆腐はゼラチンで固めているので、熱を加えることはできません(液体に戻ってしまう)が、柔らかい冷や奴が食べたくなったらこれからは豆乳を買ってこよう!と思いました。
硫酸カルシウムについて
今回冷や奴が食べたくて豆乳から豆腐を作ろうと思ったとき、日本で豆腐の凝固剤として一般的なにがりはフィリピンでは買えないので、代用品を探したんです。
その時、フィリピンでメジャーな豆腐デザートのTaho(タホ)は何で固めているんだろう?と思い、タホのレシピを検索してみました。
するとTahoの一般的な凝固剤として出てきたのが、Epsom Salt(硫酸マグネシウム)や Calcium Sulfate(硫酸カルシウム)でした。
ちゃんとした食用のものが買えればTaho方式で作ってみたいと思い、製菓材料店Caro & Marieで探したら、Calcium Sulfate(硫酸カルシウム)がありました!
このCalcium Sulfate(硫酸カルシウム)でつくる豆腐は、ゼラチンや寒天を使ったものと違い、熱を加えても溶けないので温かくして食べることもできます。(なめらか湯豆腐ができる!)
でも、ゼラチン・寒天よりも、使う分量や温度管理にちょっとだけコツが要りそうです。
そこでYoutubeで詳しいレシピ動画を日本語で探してみました。すると、検索結果に予想してなかった「添加物」「避けたほうが良い」「豆腐は安い凝固剤使用のものでなく国産にがり使用のものだけ選べ」などのちょっと怖い情報が出てきたんです。
日本人の方がそういうのには敏感ですもんね…。
一方、京都のお豆腐屋さんでは昔からすまし粉=硫酸カルシウムを使っているという情報もあり、言うほど怖いものでもなさそうです。
そもそも、私がよく買っているSoy & Beanの豆腐が硫酸カルシウムで作られているのなら、今更怖がっても仕方ないかもしれません。
そんなわけで、このCalcium Sulfate(硫酸カルシウム)、ちょっと躊躇していまして、現時点ではまだ使っていません…。
まあ今回は冷や奴が食べたかったのと、ゼラチン冷や奴のレシピに満足もしましたし、豆乳も使い切ってしまいました。
温かくして黒蜜シロップで食べるTahoや、なめらかな手作り豆腐の湯豆腐が食べたくなったらそのうちまた豆乳を買ってきてCalcium Sulfate(硫酸カルシウム)でも豆腐を作ってみようと思います。
報告が無かったら、美味しくなかったか、結局びびって使ってないと思っておいてください(笑)
冷やして食べる分には、安全性も気にしないでOKなゼラチン柔らか豆腐は簡単で美味しいです。
新鮮&安心な絹ごし豆腐がなかなか手に入らない海外在住の方は、ぜひ作ってみてください!
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