ここフィリピン・セブでは、2020年頃からバス路線が充実してきました。
このブログでも、バスの利用方法や経路について何度か記事を書いています。
最近も変わらず利用しているのですが、私はセブのバスでは今のところ一度も危ない目や嫌な思いをしたことがなく、むしろローカルの人の優しさに触れたエピソードしか無いんですよね。
(ジプニーやタクシーだとそれなりに不愉快な経験もしています)
今日はそんな、バスに乗っていて嬉しかったことをいくつか紹介したいと思います。
女性に優しい!
ジプニーは狭くて天井も低いので”基本全員着席”ですが(たまに若い男の子が手すりにつかまって半身を外に出して乗ってる笑)、バスの場合は吊り革もついていて、満席だと立って乗ることも結構あります。

ジプニーの車内。立つことは不可能。

バスの車内
そしてバスでは、満席状態で女性が乗ってきた時に、フィリピン人男性が席を譲る確率がものすごく高いんです。
女性が高齢でも中年でも若くても関係なく、すぐに乗り口周辺の複数の男性が席を立って譲っているのをしょっちゅう目にするので、いつもすごいなあと思っていました。
言っておきますが私は若くないです。移住したてのころは、若い日本人!来たばかり!って感じがしていたのか、タクシーに乗れば運転手が「Japanese?観光?彼氏いる?結婚は?フィリピン人どう思う?」とかテンション高めに話しかけてきましたが、今では乗り込んだら「Asa (現地語でWhere)?」と平常心でボソッと聞かれるだけです(笑)
なので下心や外国人だから譲ってくれてるのではなくて、単純に女性への親切心で譲ってくれてるんだと思います。
シニアに優しい
あるとき、高齢の日本人男性2名と短い距離をバスで移動する機会がありました。
ほぼ満席のバスに乗ったとたん、乗り口の両脇に座っていた若いフィリピン人男性2人がすぐに席を立って、シニア男性達にさっと席を譲ってくれました。
その素早さと、そのあとも日本人男性達を見守る、なんか尊敬?シニアを敬う?みたいな視線があたたかくて、「おお、これは嬉しいな」と他人事ながら思いました。
高齢者が多い日本ではあまり感じない雰囲気でした。
さらに、日本人男性2人が並んで座ったすぐ隣に座っていたおじいちゃん(たぶん60歳くらいだけど、日本人なら身体能力的に80歳位)が、私に対しても「彼らの隣の席にどうぞ!」と席を立ってくれようとしました。
それはさすがに「いやいや、そこはあなたが座って!」と固辞しました。
フィリピンには日本人含め、外国から移住してきているシニアの方もたくさんいますが、フィリピンの気候や国民性だけでなく、「長く生きてきた人を基本敬ってくれる雰囲気がある」(but たまにぼられる)のが、居心地の良さにつながっているのかもしれないと思いました。
女性に優しい Part.2
そんな感じでセブのバスではよく席を譲ってもらうのですが、こちらが譲ることもあります。
ある時私がバスの乗り口近くの席に座っていると、重そうな荷物を持った中年女性が乗ってきました。
バスはほぼ満席で、ちょうどあと1駅くらいで私はバスを降りるつもりだったので、「マーム、どうぞここ座って」と言って席を譲ると、周りにいた若い乗客男性数名がチラチラと見てきました。
「?」と思いながら車掌さんに降りる場所を確認しようとすると、その乗客男性達が、補足みたいな感じで降りるポイント(信号の後とか)について丁寧に教えてくれました。
推測ですが、「席を譲るという行動を(自分がしようと思ってたのに)年上の女性に先にされたから、代わりに何かしたい」と思ってくれたんじゃないかな、と思います。優しいわ…と思って嬉しくなりました。
優しすぎやろと思った女性の話
優しいのは男性ばかりではありません。
ある時、食料品の入った重い買い物袋を持ってバスに乗りました。バスはとても混んでいて通路にも人が一杯立っていました。
すると、私が立っていたすぐ横の座席に座っていた女性が、私に向かって膝の上をトントン、としてきました。
なんと「重いでしょ、その荷物を私の膝の上に置きな!」ってことのようです。
セブでは現地の人に親切にしてもらったらなるべく受けるようにしていますが、さすがに床の上に置いたかもしれない汚い袋を彼女のスカートの上に乗せるなんてことは、申し訳なさすぎてできませんでした。
「大丈夫、でもありがとう、めっちゃ優しいやん…!」と答え、降りる時も「ありがとね!」とアイコンタクトして降りました。
あれは家に帰ってからも「優しすぎやろ…」と何回か思い出しました。
爽やかすぎた若者の話
フィリピンで日本人女性が優しくされる話を聞いた男性の何割かは、下心だろう、と思うかもしれません。昔はそう実感することも確かにありました。
でも最近、歳をとるにつれて「下心じゃなくて純粋に優しいんだな」と思えることが増えてきて、それは嬉しい点です。
最後はバスから降りた直後の話です。
先日、雨が降った日の夜に、ITパークのすぐ外(Aboitez)あたりでバスを降りました。
ところがバスを降りて足をおろした地点が、ちょうど大きな水たまりのど真ん中で、着地点(そこだけ中州のように乾いていた)から一歩踏み出したとたんに足がぬかるみにつかり、その感触に思わずワーと声が出ました。
その一歩でサンダル履きの指にはしっかり泥がつき、またかなり大きなドロドロの水たまりで対岸までが遠い&暗くて二歩目をどこに置いたらいいかも良く見えず、軽く絶望しました。
するとそのすぐ近くを歩いていた男女の若者グループの一人が立ち止まり、ちょっと笑ってから私に手を差し伸べました。
そう、「ぬかるみから救い出してくれた」のです。
多分私より一回り以上年下の男の子です。その超自然なエスコートぶりに感動しました。
さらに自分のカバンから足を拭くためのティッシュを出して渡してくれ、お礼を言うと、どういたしましてとはにかみながらすぐに仲間のところへ小走りで戻っていきました。
「なんだその自然さ…。爽やかにもほどがあるで!!」と、本当に感動しました。
いつか誰かが水たまりにはまって困っていたら(日本ではそうそう無さそうだけど)、私も同じように助けてあげようと思いました。
※私はフィリピンに住んでいる間に無意識に貴重品等に気を付けるようになっているせいか一度も被害にあってないですが、一応バスでも、口のあいたカバンやポケットにスマホ等を入れていたり、高価そうなものを身に着けていたり、眠ったりしてしまうと、スリ等の軽犯罪に遭う可能性もあると思います。乗車の際は気を付けてください!
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