Affidavit of Loss(紛失宣誓書/紛失証明書)を無料でとる方法【登録済みSIM紛失時に必須?】

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私がフィリピンに住んで13年の間、仕事関係なく個人的に二度ほど取ったことがあるフィリピンの書類があります。「Affidavit of Loss(アフィダヴィートオブロス)」です。

Affidavit of Lossとは

このAffidavit of Loss、フィリピンで紛失や盗難などで何か物を無くして、その証明や再発行が必要になった時に求められることが多い書類です。

私がはじめてこの書類を作ったのは現地銀行のキャッシュカード(ATM Card)を無くしてカード再発行のために銀行へ提出する必要があった時で、二度目となる今回は個人情報を登録(※フィリピンで2022年末に成立したSIM登録法のやつ)したばかりのSIMを無くして、通信会社(Smart)に提示を求められたために作成しました。

日本ではあまり聞かない書類ですが、「Loss=紛失」を「Affidavit=供述/宣誓する」書面で、弁護士にNotarize=公証もしてもらう必要があり、簡単に言うと「○○を無くしました、嘘じゃないです、弁護士も承認してます!」という公的書類です。
作成日や本人の身分証番号、公証した弁護士の情報なども記載され、書類の写しが弁護士事務所に保管されます。

会社勤めなら会社の顧問弁護士に頼むこともできるのですが、それでも手数料(300ペソ前後)がかかるのと、完全にプライベートな無くしものの場合は会社に依頼するのも気がひけるんですよね。

前回は有料で作成しましたが、今回は無料でとることができたので、その方法を紹介したいと思います。
※2023年2月、セブ市内での情報です。

Affidavit of Lossの取得方法

Affidavit of Lossの取得(作成)方法は私が知る限りいくつかあります。
作成時には有効な公的身分証明書(外国人ならパスポート)の提示も必要です。

①自分で(または会社の弁護士さんや詳しい人に依頼して)文書を作り、弁護士にお金を払って公証(Notarize)だけしてもらう…100~400ペソ前後? 弁護士さんの設定金額によって異なる
②簡単な書類なので、面識のない街の弁護士事務所(Law Office)などに飛び込みで頼んでもすぐ作ってくれることが多い…300~500ペソくらい

③フィリピンの役所等にあるPublic Attorney’s Office(市民のための弁護士事務所的なところ)に行って作ってもらう…0~300ペソ前後?

※本来はすべて無料なのかもしれませんが、行く役所によって、または行く人の国籍や服装(お金を持ってそうか否か)によって料金が変動するという、フィリピンお得意の超適当&役人天国なシステム。

銀行カードを無くした2019年当時は、キャピトル(セブ州庁舎)内のPublic Attorney’s Officeなら③の方法で有料でも200ペソ程度で作ってもらえると聞いていましたが、急ぎだったので、②の方法で確か土曜日でも開いていた町の弁護士事務所に500ペソで作成してもらいました。

今回(2023年)は③の方法でいこうと思いました。
ちょうどセブダウンタウンのシティホール(市役所)と、アップタウンのキャピトル(セブ州庁舎)の中間地点にいたのですが、なんとなくキャピトルの方がぼられにくい印象があり、キャピトルに向かうことにしました。

その道すがら、タクシーの運転手さんと新法で登録したばっかりのSIM無くしたんだよ~と雑談していて、シティホールとキャピトルどっちも近いよねえ、というと、運転手さんも「うーん、シティホール行くよりキャピトルの方が(外国人にとって)危なくないしクリーンだと思うよ!」との意見でした。

ですが、実際にキャピトル(セブ州庁舎)でタクシーを降りて警備員さんにPublic Attorney’s Office=通称PAOの場所を聞くと、2023年2月現在、PAOはキャピトル内には無くなり、州庁舎の外へ移転した、というではありませんか…!
しょうがなく、またタクシーに乗って警備員さんが教えてくれた場所へ向かいました。

キャピトル近くのPublic Attorney’s OfficeでAffidavit of Lossを無料で取得した方法(2023年)

キャピトル(セブ州庁舎)の警備員さんが教えてくれたのは、キャピトル近くにある司法省内のPublic Attorney’s Officeです。地図ではここです。

距離的にはキャピトルから徒歩でもなんとか行けそうなのですが、途中半分くらいは舗装されていない工事現場のような道を通るので、直接タクシー等で行く方がおすすめです。

これが、初めて見たフィリピンのDepartment of Justice Cebu(司法省・セブ支局)です。
英語にすると、かっこいい名前ですね。Justice(正義/公正/司法)というからには絶対クリーンでいてほしいものです。

Department of Justice内のPublic Attorney's Office Affidavit of Lossを無料で取得

Public Attorney’s Officeへは、建物の正面玄関ではなく左側の階段横にある小窓から行きます。
ここです!ほんとに廊下の片隅みたいな狭い場所にベンチとデスクが置かれていました。

Department of Justice内のPublic Attorney's OfficeでAffidavit of Lossを無料取得

小窓の向こう側にいた職員の方にAffidavit of Lossが欲しいというと、以下の書類を渡してくれて、空欄を埋めるように言われました。
また、別にアンケート(PAOの市民サービスに対する満足度評価)も渡されました。

フィリピンのAffidavit of Loss(紛失供述宣誓書)文例

書面には以下のようなことが書かれています。自分で文書を作成する人は参考にしてください。

フィリピンの○(住所)在住の○(フルネーム)、フィリピン人 日本人、成人、独身は、以下を宣誓・供述します。
1.私は○(紛失物の発行元、ここでは通信会社SMART社)によって発行された○(SIMカード)の正当な所有者です。
2.○年○月○日の何時かに、この○が[紛失/取り違い/盗難]されました。
3.めっちゃ探したけどまじで無いんです。
4.以上、本当だと誓います。
日付、署名、証明書番号(外国人なら通常パスポート)

…後半すごい口語ですみません。でも本当にこれだけの内容です。

パスポートは本来原本を持っていくべき(相手方でコピーをとって保管すると思います)なのですが、私は現在ACR I-Cardの更新中でパスポート原本がイミグレーションにあるため、その事情を説明してスマホ内のパスポートとビザページのスキャン画像を見せると、それをコピーしてくれました。

このPAOの職員さん、とても親切でした。
途中フィリピンならではの軽口(行ったのがバレンタイン前日だったので ”独身なの?明日バレンタインなのにねえ?””せっかく忘れてたのに、思い出させないでよ~”みたいなやり取り。日本の役所ではまず無いですね)はありましたが、とてもスムーズに書類を確認、複写して公証のスタンプ(画像にある浮き彫りみたいなスタンプです)を押してくれ、いくら?と聞いたら無料だよ!と笑顔で言ってくれました!
…Justice!

昔シティホールのPublic Attorney’s Officeで何回か書類(Affidavit of Lossではないけど、ローカルなら無料でとれることもある簡単な書類)をとったときは、ほぼ毎回有料だったんですけどね。

一応ブログ記事に書こうと思って、「ここのPAOではAffidavit of Lossはいつも無料なの?なんで?」と聞くと、「うん。無料の市民サービスだから!」とのことでした。
まあフィリピンのことなので、今後時期や職員が変わると、あるいはお金を持ってそうな人が行ったり、職員に偉そうな態度を取ったりすると、「手数料500ペソね。」などと言われる可能性は普通にあるとは思います。

今回私はラッキーにも無料で取れたので、参考にしてください!

結局Affidavit of Lossが無駄になった話 & SIMカード紛失時対応

今回、取得費用は無料だったものの、タクシーを乗り継いでわざわざ用意したAffidavit of Lossですが、なんと結局のところムダになりました。
経緯を一応説明しておきます。


①新しいSIMカードを入れたポケットWi-Fi を紛失。このSIMは、SIM登録法(2022年末成立のフィリピンの新法)に則って私の個人情報(パスポート・ビザ情報含む)を通信会社SMART社の指定ページで登録したもの。
SMARTのデータSIMの通信量を管理するアプリで「拾った/盗った人が私のSIMカードを使ってネットを利用している」らしいことに気づく。

②フィリピンのSIM登録法は、その回線が犯罪等に使われた時にSIM番号から個人を特定するために作られた法律。
私のSIMが変なことに使われたらたまったもんじゃないので、登録済みSIMが盗難されたり紛失した場合の対応についてSMARTのページで探す。→ SMARTストアに行けとしか書かれていない(2023年2月時点)。

③SMARTストアで店員さんにポケットWi-FiごとデータSIMをなくしたと言うと、「紛失証明としてAffidavit of Lossを提出してくれたら、紛失を届け出た上で新しいSIMカードを無料で提供します」と言われる。

④その足でAffidavit of Lossを取りに行く。

⑤翌日SMARTストアに行くと、③の店員が間違った案内(もしくは確認漏れ)をしていたことが判明。
別の店員さんによると「私が使っていたすこし特殊なデータSIM”ロケットSIM”はAffidavit of Lossを提示しても代替SIMはもらえない」「また、SIMカードの紛失については自分でSMARTのヘルプセンターに電話して申請しないといけない」とのこと。
つまり、用意したAffidavit of Lossの使い道は無し
※通常のデータSIMなら、Affidavit of Lossの提出で代替SIMがもらえるそうです。

⑥現在、SIM紛失を申請する窓口はSMARTのコールセンターのみで、アクセスはSMARTのSIMが入った携帯から電話する方法しかない。(別通信会社から掛けられる電話番号は無い)
私の携帯にはGLOBE社のSIMが入っていて、ここからSMART社のコールセンターにはかけられないので困っていたら、SMARTストアの店員さんが自分の携帯を使ってセンターにコールしてくれることに。よくある長時間(15分以上)の保留後に、なんとかSIM紛失を申請できた。
コールセンターの方も、ロケットSIMの場合は紛失時の代替SIMの提供は受けられないと言っていた。


フィリピンのSIM登録法はまだ成立して間がないですし、紛失時の申請方法については今後もう少しやりやすいように変化していくのでは、と思います。

ちなみに、昨年の新法成立後に購入したSIMなら利用開始前に個人情報の登録は必須ですが、2022年12月以前から使っているSIMの場合は、2023年6月のいつか(6月までという情報もありますが、4月26日までという情報も見かけました!念のため4月までに登録した方がよさそうです)までは登録猶予期間が設けられています。

現在のところ、個人情報を登録した後にそのSIMをなくしてしまうとものすごーく面倒臭いので、要注意です!

私はすっかり無駄足を踏まされましたが、この記事がフィリピン・セブでAffidavit of Lossを取得する方や、フィリピンで登録済みSIMを早速無くしてしまった方の参考になれば幸いです。

コメント

  1. Kyoko より:

    大事な物の紛失はショックですよね。セブで役所関係の大変さは私も理解できます。貴重な体験、とても参考になりました。ありがとうございました。😉

    • Cebu Kitchen Cebu Kitchen より:

      ほんと毎回振り回されますよね!
      今回はブログをやってたので、結局無駄になっても、記事にしたろ!と思って落ち込まないで済みました。
      ありがとうございます😊

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