今年も、自宅のネット回線利用で貯まったGlobeポイントを使って映画を観る時期がやってきました。
※フィリピンの通信会社Globeのアプリで、1年で映画1本分くらいのポイントがたまります。利用方法は以下の記事で説明しています。
そしてタイミングよく、以前から楽しみにしていた映画が2本、先週からフィリピンで公開されたので観てきました。
「ミッキー17」と「Flow」です。今日は2つの映画の感想を書きたいと思います。
「ミッキー17」概要(ネタバレ無し)
「ミッキー17(英題Mickey 17)」は、韓国映画「パラサイト 半地下の家族」の監督・ポン・ジュノの最新作です。日本での公開は2025年3月28日からのようです。
主演は「テネット」のロバート・パティンソンで、他に私が知っている俳優では「ウォーキングデッド」のグレン役だったスティーヴン・ユァンも出ています。
「パラサイト」はアカデミー賞受賞で話題になったので、その監督が今度はハリウッド映画を撮ったということで、日本や世界でもかなり期待されている作品ではないかと思います。
フィリピンの映画館では、確かアカデミー賞受賞後にパラサイトがリバイバル上映されて、私もその時に初めて観たら面白かったんですよね。
なので今作も期待して観ました!いろいろと感想があるので、下の段落で超個人的な意見を書きます。
「Flow」概要(ネタバレ無し)
Flowは、フィリピン(セブ)では2025年3月5日~3月11日に行われているワールドシネマというイベント?で各国の映画とともに上映されることになった、ラトビアのアニメーション映画です。
「Flow」は数か月前に予告編を見てから公開を楽しみにしてたんですよね。
動物はアニメーション&風景は実写に近いアニメーションで、全編セリフやナレーションは一切なし、という変わった作品です。(鳴き声と環境音と音楽のみ。英語力不要!)
猫好き・動物好きの心はつかむと思いますが、興味のない人にとっては「85分間セリフ全く無し?はぁ?!」って一切観る気が起きなくてもしょうがないかもしれません。
フィリピンでは、通常の映画よりも安い200ペソでほんの短い間だけ上映されました。
日本では2025年3月14日公開予定で、もう少し長く上映されると思います。
感想は下の段落で書きますが、そこはネタバレを避けて読みたくないけど映画は観るという方へ、最後のエンドロール後に短いカットがあります。
エンドクレジットの時間は長くないので、席を立たないことをお勧めします!
「ミッキー17」感想
個人的な感想は、ひとことでいうと「面白いといえば面白いけど、パラサイトほどでは全然ない」です。
ミッキー17はSFやブラックコメディ要素が強く、私はそういう要素は嫌いではないし、主演俳優さんの演技も、いろんなジャンルごちゃまぜの感じも独特で良かったと思います。
パラサイトは「話がどう転がるか分からないまま、どんどん展開に乗せられてるうちに衝撃的な結論まで綺麗に連れていかれる」感が良かったんですが、ミッキー17はなんかそれに比べるとリズムが悪いんですよね。
いまいち乗り切れず、それからどの登場人物にも共感や感情移入がしづらく、そのうち政治的主張が強すぎるように感じてちょっとお腹いっぱいになりました。
「SFディストピア+ブラックユーモア+格差社会アカン&多様性大事!+トランプ批判+ナウシカ」みたいな感じですかね‥。
同じ監督の「スノーピアサー」という映画も観たことがありますが、「ミッキー17」は「パラサイト」よりも「スノーピアサー」寄りの作品だと思います。
それから、敵側の夫妻がやたらトランプ大統領を思わせるんですが、私は決してトランプ好きではないのに、敵役をしつこくおちょくる展開にイラっとしました。
後で考えてみたら、去年映画の「バービー」を観たときと同じような理由でムカついたんだと思い当たりました。
私は特に映画館で観る映画では、非日常を味わうことや現実的すぎないエンタメを期待しています。
フィクションと分かっていれば死人がいっぱい出ても「おうおうもっとやれ」と思いますが、現実世界を思い出して落ち込んだり実話ベースで悲しくなるものはわざわざ観たくないです。
そして、「バービー」や「ミッキー17」のように予告等ではエンタメ映画っぽさを出しておいて、いざ観たら監督の政治的主張やポリコレ要素が強すぎると、一気に冷めるんですよね。
「私はエンタメを観に来てるんであって、監督の政治的主張を聞くために来たのではない。楽しませてくれよ!」と思ってしまうんです。
まあ、ミッキー17のSF要素は楽しく、ナウシカっぽいモンスターは可愛かったです。
あと韓国人俳優のスティーヴン・ユァンは、ゾンビドラマの気の良いピザ配達兄ちゃん役よりも、ミッキー17やNOPEのようなちょっとこずるい、ゲスい役の方が良い味を出していると思いました。
この監督は韓国を舞台に、韓国人俳優ばっかりで撮ったほうがなんか良い気がします。
パラサイトよりはだいぶ落ちるけど、私は今回Globeポイントを使って100ペソ(260円くらい)で観たのでまあいいか、日本で2,000円で観てたら後悔してるな…という感想でした。
「Flow」感想
これは観に行けてよかったです!ラトビアのアニメなんて普段のセブならまず観れないところを、ワールドシネマ開催ありがとう!という気持ちです。
セリフやナレーションや字幕は一切ないので、ストーリーの流れは映像を追うしかないのですが、85分間ずっと綺麗な風景や動物の様子に釘付けでした。
とにかく猫の身体の美しさを愛でて、ああ、猫や犬そういうところある!と共感して、動物たちにハラハラして応援して、風景(実写のように見えるアニメーション)の綺麗さにも感動してるうちにラストまであっという間でした。
ラストはスッキリハッピーという訳ではなく、途中や最後には観た人に解釈を委ねるようなシーンもあり、全てが明確に説明されているわけではありません。
私そういう「考えさせる系」の映画を観るとモヤモヤすることもあるんですが、このFlowは自然に観終わったあとに意味なんかを考えました。
考えさせる系映画でも、監督のドヤ顔が浮かばない場合はそんなにイラっとしないんだな、と思いました(笑)
セリフが無い分、綺麗な映像や環境音により集中でき没入感があるので、自宅で観るより映画館が良いタイプの映画です。
猫好き、アニメーション好きな方は機会があればぜひ映画館で観てみてください。
フィリピンで映画公開を見逃さないために
そんなこんなで、一般的には注目作のミッキー17よりも、Flowにずっと満足した週末でした。
ところで私はフィリピン・セブに住んで16年くらいになりますが、フィリピンで映画を観る時に困ることがいくつかあります。
- 映画の上映期間が短い
- 日本よりも公開が早いことが多く、日本で話題になった頃にはもうフィリピンでの公開は終わってたりする
- フィリピンで人気がない映画は数日で終わり、逆に動員数が見込める映画は期間延長したり複数シアターを占領して延々とやってる。アメコミ系が人気。
- 英語音声の映画は字幕も吹き替えも無いので、疎いジャンルの映画だと英語が難しい。ディズニーやホラーやアクションは観やすい。
- 日本のアニメや若者人気のありそうな邦画ももわりと公開されてて、基本日本語音声+英語字幕で観られるので言葉の問題は無いし、フィリピン人観客の素直なリアクションも観察できておもしろいのでオススメ
※ついこないだも「実写版はたらく細胞」が公開されて観たかったのに、上映期間短い&SM映画館のみで迷ってるうちに終わってました
特に観たい映画の公開に気づかず見逃したことはほんとに多かったので、一年くらい前にこのIMDBという映画アプリを入れました。
世界の映画情報やレビューがチェックでき、好きな俳優さんや公開予定映画で気になった作品をお気に入りに入れておけば、セブで公開された時に通知で知らせてくれます。
日本より公開の早い映画は日本語では情報が探しづらいので、このアプリで予告編動画やレビューを見て観に行くべきかどうかを判断しています。
そして観に行くとなったら、詳しいスケジュールはこちらのサイトで確認しています。(上映スケジュールは数日ごとに更新されます)
フィリピンやセブ在住で観たい映画の劇場公開を見逃したくない方は、チェックしてみてください!
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