使いやすいペッパーミルを見つけた、と思ったら偽物をつかまされた話【Lazada失敗談】

日用品

少し前に、日本に一時帰国したら買いたいものについての記事で、使いやすいペッパーミルが欲しいと書きました。

使っていたミニサイズのミルは、ひっくり返してから両手で筒を回して胡椒を削るタイプのものです。
保管時には蓋もできて使いやすくはあるのですが、挽いた胡椒の粒が細かすぎるのと、挽いた後またひっくり返すことにより、挽かれた粉が筒の中に戻ってしまうのでどんどん粉っぽくなっていくのが不満だったんです。

川崎合成樹脂のペッパーミル

コンパクトなのも、錆びにくいセラミック刃なのも、蓋つきなのも良いけれど

川崎合成樹脂のペッパーミルの悪い点

挽いた後の細かい粉が保管時に中に戻ってしまいます

欲しいペッパーミルの条件と日本で探した結果

新しいペッパーミルが欲しくて、4か月前(2023年5月)に一時帰国する前に、いろいろネットで探しました。私の条件は、

  • 片手で使える(電動ミル?)
  • 大きさは求めていない、コンパクトで持ちやすいことを重視
  • キッチンにおきっぱなしでも圧迫感がないサイズとデザイン
  • 電動の場合は海外・フィリピンで使えるタイプであること(USB充電式か充電池式)

の4点です。
電動ミルというだけなら、プジョー(かっこいいけど高い)、ラッセルホブス(デザインは好きだけどミニでも大きい&塩胡椒ミルの2つでセット販売)、Bruno(可愛い系?なのにでかいので微妙にかわいくない)などのブランドのものがあり、日本滞在中にお店で実際に手に取ってみたのですが、全部大きすぎるんですよね。

どれも缶入りジュースくらいのサイズ感で、うちの小さなキッチンでは存在感がありすぎます。

上のブランド以外のミルも一時帰国中にいろんなお店で探しましたが、すべての条件にはまるものは残念ながら見つかりませんでした。

Lazadaでみつけたワンハンドペッパーミル

結局日本では気に入るペッパーミルは見つからず、フィリピン・セブに戻ってきてから、前回記事でも書いた東南アジアの通販アプリ「Lazada」で探してみたところ、気になる商品を見つけました。これです。

Lazadaのワンハンドペッパーミル(偽物)

このマーク、ブランドはドイツのツヴィリング(Zwilling)で、日本ではカジュアルラインのヘンケルスのキッチンばさみや包丁などが有名です。

もともとこのブランドはあまり好きではない(なんかロゴが昔の壁画みたいで)ですが、片手におさまりそうなコンパクトサイズ、電池や電圧を気にしなくていい手動式かつワンハンド(片手で使える)、シンプルなデザインが気に入り、たいして調べもせずに買いました。値段は送料込みで1,100ペソ(約2,900円くらい)でした。

これまで私は、LazadaでMiの電子レンジ(シャオミの家電ブランド、過去記事で紹介)やラッセルホブスの電気ケトル(イギリスのブランド、過去記事で紹介)、化粧品や浄水フィルターなどで特定のブランドのものを買ったことがあり、そのいずれも本物と思えるものが届いて問題なく使えたので、偽物に警戒する気持ちはほとんどありませんでした。

偽物と判断したポイントとお店の対応

商品が届いて開封した時、愕然としました。なんだこの箱は…!

Lazadaのワンハンドペッパーミルの外箱

この箱を見て、本物のツヴィリング製品が届いた、と思う日本人っていないと思います。
箱には説明書も何も入っておらず、ツヴィリングのツの字もありませんでした。
普通の中華製の安い工業製品という感じです。

ご丁寧に、中国語のラベルも貼ってあります。

Lazadaのワンハンドペッパーミルの外箱(中国語ラベル)

QRコードは無効になってました

それから商品のロゴ。商品の作り自体は綺麗なのですが、ロゴのぼやけ具合や色ムラが、いかにも偽物という感じです。
少なくとも日本のツヴィリングの公式店で、このレベルの質のロゴの商品が売られることはまず無いと思います。

Lazadaのワンハンドペッパーミル(偽物ツヴィリング)のロゴ

別に好きでもないデザインのロゴを、こんな雑に入れられるなら、むしろロゴ無しが良かった…と思いました。

実は売り手のショップに対しては、届いた後に「箱がノーブランドとしか思えないけど偽物だよね?」とチャットで聞いたんです。
ですが「Hello, the product is genuine(本物です)」とAIのように繰り返すだけで、「なんか証拠ある?説明書も何も入ってないんだけど」というと、「満足できないなら返品を申請してください」と返ってきました。

ところが、Lazadaで初めて返品申請をしてみたところ、私のこの例では返品ができませんでした
お店の人は「Lazadaのシステム上で返品ができないなら知らん。本物ですけどね。」と最後まで言い張っていました。

Lazada経由で返品ができなかった理由

Lazadaで返品申請ができなかった理由は、私が荷物を受け取った時点で、アプリでReceived(受取済み)のボタンをタップしてしまったから、です。

Lazadaのルールをよく読むと、Receivedボタンには単に商品を受け取ったというだけでなく、その商品の内容にも納得して取引を完了させる、という意味合いもあるそうで、一旦押してしまうともう返品も返金もできない、とありました。

もしLazadaでも、Lazmallという「本物保証をしている公式ショップのみが集まった売り場」で購入していたらまた違ったかもしれません。

でも今回私はLazmallではない、いろんなキッチン用品を扱っているお店で買ったので、本物保証はありませんでした。

それでもLazadaのカスタマーサポートに、1回だけ「偽物だと思う」と写真を付けてメッセージを送ってみたんです。ところが返信すら来ませんでした

Lazadaのカバーする東南アジアでは、偽物の商品なんてたくさん出回っています。
フィリピンの場合、ちゃんとしたショッピングモール内でも偽物ブランドバッグや財布を売るお店が堂々と出店しているくらいです。

偽ブランド品屋さん

ITパークアヤラモールセントラルブロック2階の偽物屋さん

そんな中、Lazmall以外で売られた偽物の疑いがあるという商品に対して、Lazadaの運営側もいちいち介入してられないんだな、と思って諦めました。

使い勝手について&妄想

ところがこの商品、本当に悔しいのですが、使い勝手はかなり良いんですよね…。

買う前に思った通り、ワンハンドで手軽に胡椒が挽ける上に、前に使っていたものよりも少しだけ粗めに挽くことができ、挽いた後の粉が中に戻るということもありません。
電池も充電も考える必要はなく、デザインもシンプルで理想的なコンパクトサイズです。

製品の作り自体も結構しっかりしています。個体差はあるかもしれませんが私の受け取ったものは金属の表面に目立った問題もなく、変なひっかかりもなくプッシュ式でスムーズに胡椒が挽けます。

普通にノーブランドのよくできた商品として売ればいいのに、なぜわざわざ他国のブランドを騙って売るのか、お前らにプライドは無いのかと、買って1週間くらいは悶々としていました。

~~ ここから妄想 ~~

使いやすいこのミルを作った中国の田舎の金属加工工場の人は、きっと自分たちの技術にも自信があって、もしかしたらフェイク品を作っていることも知らされず、ただ指示された設計図通りに実直に製品を作っているのかもしれません。

(イメージ画像)

そして出来上がった製品にあの雑なロゴを刻印するのは、また別の工場が担当しているのかもしれません。

偽物をわざわざつくり、本物と言い張ってそれなりの値段で売りつけるような人は、それくらいずる賢いやり方をしているのではないでしょうか。

~~ ここまで妄想 ~~

私がここまで細かく妄想したのは、後日Lazadaでこの商品を見つけたからです。

偽物の10分の1の値段で、評価も高い

同じ形で、ツヴィリングのロゴのない、たった100ペソ台(!)の商品です。

私はこれを買いたかった…!!

ちなみに日本のアマゾンにも同じような感じの商品がありました。(商品ページに映っている箱が私の買ったものと一緒笑)
日本での販売価格の方が高いせいもあってか、日本人のレビューは厳しめですが、機構はよくて私には使いやすいです。

使い勝手自体はお勧めできるので、興味のある方には、中途半端な高値で偽物をつかまされるよりも、安いロゴ無しの商品を買うことをすすめたいです。

Lazadaで偽物をつかまされないために気を付けること

怒りのあまり、無駄に長くなってしまいました。

今回のことでは、偽物を売る人たちにムカついてる感情と、たいして調べもせずにダサい偽物まるわかりロゴのついた商品をわざわざ10倍の値段で買った自分への情けなさと、でも製品自体は悪くないので使いやすいものを見つけた喜びや人にすすめたい(ロゴ無しの方)気持ちが混じりあい、複雑な気分のままこの記事を書きました。

前回記事で書いた通り、私はこれまでのLazadaでの買い物には満足していることのほうが多いのですが、今回の私の失敗をふまえて、これからLazadaで買い物をする方は以下の点に気を付けてほしいです。

  • ブランドものを買うときはなるべく本物保証のあるLazmall
  • Receivedボタンは商品を開封して問題がないことを確認してからタップすること
    ※ショップによっては消費者側の理不尽な返品要求に対抗するために「届いた商品のラベルを映して開封する動画を撮っておき、その動画を提出しないと返品要求は受け入れない」としている場合もあります。
  • 奴らは公式HPなどからロゴや説明文などを平気で盗んで使っています。同じ商品の定価を公式HP等で確かめて、安すぎる場合は十分に警戒するか、偽物と承知の上で買うこと

参考にしていたければと思います!

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