先日、生まれてはじめて、クレジットカードの不正利用という被害に遭いました。
私は現在フィリピン・セブに長期滞在中ですが、不正利用されたのは日本で発行されたクレジットカード、請求されたのはAPPLE COM BILL(アップルで何か買ったときの請求)で、調べてみると同様の被害は日本でもたくさん起きているようです。
私の場合、気づくのがもう少し遅ければ補償対象外になりかねませんでした。
また、クレジットカード会社内の問い合わせ先によって対応が少し異なりました。
今日は、そのあたりの情報や、不正利用判明から解決(請求の取り消しと返金)までの経緯を詳しくレポートしたいと思います。
海外在住でも日本に住んでいても、ネットショッピングをほぼしない人でも起こりうるようなので、これを読んだ方が同様の被害に遭ったときに実害を最小限にする参考にしていただければ、酷い目にあった甲斐があります!
私のクレカ使用頻度と不正利用に気付いたきっかけ
私はフィリピンでの普段の外出時は、まずクレジットカードは持ち歩いていません。
日常的な買い物で現金以外で支払いたい時は、フィリピンの銀行キャッシュカードでデビット決済またはオンライン決済をするか、フィリピンの電子マネーGCashを使っているからです。
日本のクレジットカードを維持し続けている理由は、日本で申し込んでいるいくつかのサービスの支払いに利用するためと、日本に一時帰国する時に買い物で使うためです。
つまりフィリピンにいる間は、クレジットカードには毎月決まったサービスからの一定額の請求しか来ないのが当たり前だったんです。
具体的には、
- Apple(iClould+というiPhoneのクラウドサービス月額400円)
- NTTコム(海外でも日本の電話番号が持てる050プラスアプリの基本料333円)
- インターリンク(海外でも日本のTV番組が観られるセカイVPNサービスの月額利用料1,100円)
この3つだけで、月1,833円です。
※イレギュラーには、Amazonプライム会員費などの日本のサブスクの年一回の支払い、一時帰国時のネットショッピングなどにも利用しています
でも、毎月の請求額が一定・少額であるばっかりに、クレジットカードの利用明細のお知らせメールが来ても、開封もせずにスルーしていたのが仇になりました…。
不正利用に気付いたきっかけは、私が使っているスマホ(iPhone)に、「お支払いの問題」の通知が来たことです。
iCloud+というアップルのサービスのクレジットカードでの支払いが上手くできていない、というものでした。
不思議に思ってクレジットカードのアプリを久々に立ち上げ、利用明細を見てみると、このとんでもない請求額が目に入りました。
282,963円です!
明細はこのようになっていました。赤い□で囲っているのは本当に私が使ったものです。
↑の1ページでは終わらず、2ページ目↓もあります。
最初は1,000円台とかで様子見して、6月23日以降に一気に1万円超を何回も使ってるのが腹立ちます。
やばすぎん…?
そして、前月の引き落とし済みの明細も見てみたところ、前月は15,200円分の身に覚えのない請求がApple.comから来ており、その金額がすでに私の銀行口座から引き落とされてしまっていたんです。
クレジットカード会社への連絡① ~海外滞在中の問い合わせ~
すぐにクレジットカード会社へ連絡しようとしましたが、海外滞在中に不正利用に気付いたことで連絡にちょっと手間取りました。
まず、クレジットカード会社の「覚えのない明細がある」場合の問い合わせ窓口の連絡先をネットで調べ、03から始まる日本の番号へ、私が使っている電話アプリ050プラスで電話を掛けました。
050プラスアプリは、050番号同士は無料通話ができるんですが、普通の電話番号への通話料は割高なんですよね…。
私は普段、フィリピンから日本や他の国へ国際電話をかけなければならない時はSkype Outを使うことが多いのですが、このSkype Outには前もっていくらかお金をチャージしておく必要があり、この時は残高がゼロでした。
新たにチャージするにはクレジットカードで支払いする必要があるため、カードが止まっていたらチャージもできないだろうと思って、050プラスを使いました。
ですが最初に電話した窓口ではつながった後自動音声のアナウンスが流れてから結構長時間待たされ、オペレーターの方と5分ほど話しただけで、なんと約1,000円もの通話料がかかってしまいました…。
そして、オペレーターの方から得られた回答は以下のようなものでした。
- Apple.comの請求に関して(不正利用と)疑わしい点があったため、今月のApple iCloud+の支払いに関しては保留になっていたようです。
- このお電話をもって、正式にクレジットカードの停止と再発行の手続きを行います。
- 疑わしい利用分が実際に不正利用であることを、請求元のAppleにお客様自身で問い合わせて証明していただく必要があります。海外からでもかけられるAppleの電話番号(03で始まる電話番号)を伝えますのでご自身で問い合わせてください。
めっちゃ事務的な上に、自分で不正だということを証明しないといけないの…?と途方にくれました。
ここで日本にいる家族に連絡して状況を話したところ、「そういえば、この間〇〇宛にクレジットカード会社からなんか封書が届いてたかも…?」と言って、封書を探してくれました。
クレジットカード会社への連絡② ~問い合わせ窓口を変えたら対応が違った事例~
家族によると、私が不正利用に気付いた日の約2週間前に、クレジットカード会社から私の日本の住所宛に封書が届いており、その内容はズバリ「クレジットカードの不正請求の恐れがあります」というものでした。
そして封書内には不正請求に関する専用の相談窓口の電話番号(050で始まるもの)が書いてあったので、今度はそちらの連絡先(SMBCファイナンスサービス株式会社 東京セキュリティーセンター)へ電話をかけ、受け取った封書の内容と、前月に不正利用分が引き落とされてしまったことや、現在も身に覚えのない請求が来ていることを伝えました。
加えて、私の場合身に覚えのない請求は全てApple Com Billと表示されていましたが、自分のスマホでAppleの購入履歴を見てみたところ、前月も今月も自分の購入履歴にはiCloud+の定期支払い(月に1回400円のみ)しか記載されていないことも伝えました。
つまり、「私のApple IDが誰かに乗っ取られて私名義で何十万円も買い物されたのではなく、他人のAppleでの購入分が私のクレジットカードに請求されている」、ということを説明しました。
すると担当の方は「自分でAppleに電話して不正を証明しろ」とはもう言わず、「それでは不正利用ということで調査を開始します。こちらでAppleへ連絡します。」と言ってくれました。
他にもいろいろ質問し、回答をもらいました。
- 不正利用の調査期間は?
回答:1か月から数か月かかるかも - 不正利用の補償対象は?
回答:不正な利用があった時から2ヶ月以内に連絡すれば、不正が証明でき次第補償(返金)対象となる。
私の場合、最初の不正利用が5月26日、連絡したのが7月14日なのでぎりぎり補償対象内! ←気づくのがあと2週間遅ければ不正分も全額支払う羽目になってたかも…! - 不正の調査結果はどのようにわかるのか
回答:調査完了後、個別の報告は無い。すでに引き落とされてしまった不正利用分(この時点で15,200円)がカード会社から返金されることで不正と認定されたことは確認できる。また、カードの裏に書かれた総合コールセンターに問い合わせて進捗などを聞くこともできる。 - この電話の15日後に引き落とされる予定の282,963円の請求は止めてもらえるか?
回答:不正利用の調査に15日以上かかると思われるので、一旦引き落とさせていただいて、調査が完了して不正利用と認定されてから返金されます。
最初に電話した総合窓口に比べて全体的に親身に丁寧に対応してくれましたし、だいぶ安心できたのですが、最後の回答にだけは、納得できない気持ちになりました。
だって、28万円超を支払った後にもし不正が証明できなければ、私が詐欺師の使った28万円を親切に立て替えたあげく、払い損になるってことになります。
28万超を払いたくなくて食い下がった結果
この電話をかけたのが7月14日で、28万円超の引き落とし予定日が7月29日でしたが、不正利用の調査が完了するまで引き落としを保留にすることはできないのか?と聞くと、最初に返ってきた答えは、「もう銀行への引き落とし手続きのキャンセルが間に合わない」というものでした。
そこで、「不正利用の調査が少しでも早く完了するように、私にできることはありますか?例えば私は不正利用された時にフィリピンのセブにいましたが、それを証明する書類やパスポートの出入国記録なども提出しますし、スマホの位置情報とかアップルの何らかのログとか何か調査の足しになるものがあれば言ってください(意訳:なんでもやるから、詐欺師の立替は勘弁してくれ!)」というと、「今回は〇国の〇というお店で使われた、というようなものではなくApple.com経由の不正利用なので、実際のカード名義人の方の滞在場所が証明できてもあまり意味がない」旨のことを言われてしまいました。確かに、おっしゃる通りですわね…。
でもどう考えても使っていない約28万円を一旦自分が支払うのが嫌すぎて(後々戻ってこない可能性もあるし)、「自分の本当の利用分(1,833円)は別途振込等でこちらからちゃんとお支払いするので、不正利用調査中の金額の引き落としはなんとか停止したいです。システム的に無理なら、私の引き落とし銀行口座からお金を別の口座に移して残高をゼロにすれば、実質引き落としはできなくなりますか?」と聞いてみました。
すると担当者の方は、「そうすると実際に引き落としはできませんが、延滞という扱いになってしまいます…。あ、少々お待ちください」と言い、保留になりました。
少し待った後、「それでは、引き落とし予定日に銀行口座の残高を調整していただいて28万円以下にしてください。また、引き落とし不可の理由として、不正利用調査中により、という記録を残します」と言ってくれました。
クレジットカードの支払いが滞った前例ができるのは(不正利用調査という理由は記録してくれるにしても)微妙に嫌だなあ、と思いつつも、しょうがないと思ってこの対応でお願いすることにし、電話を終えました。
ちなみに、ここまで結構な時間電話で話していますが、ちょうどSMBCのこの問い合わせ窓口が050で始まる050プラスの電話番号だったため、通話料は無料でした。
050プラスに入っていて良かった!と思いました。
28万超を支払わずに済みました
上の電話の2日後に、同じ窓口の別の方から電話がかかってきて、新たに以下のような対応をしてくれることを説明されました。
「不正利用調査中の請求額が含まれる今月末引き落とし予定日までに引き落とし口座の残高を28万円以下にしていただく、という件ですが、こちらで銀行への今月末の請求を止めて、調査完了まで一旦来月にスライドすることができましたので、残高の調整は不要です。」
さらに「6月末に既にお支払いいただいている不正利用分15,200円は、調査が完了次第、振込返金します。7月末に引き落とし予定だった正規のご利用分1,833円は、その振込返金時に相殺しますので、7月末には弊社からの引き落とし予定はありません。」ということでした。
つまり、使ってない分を一旦引き落とされることも、クレジットカードの支払い延滞記録が残ることも無くなった、ということです。
さらに、明言はされませんでしたが、この時点で6月末の不正利用分の証明はほぼできている、というような口ぶりでした。
ほぼ希望通りになったので、お礼を言って電話を終えました。
不正利用の調査にかかった期間と解決・返金までの経緯
実はこのあと、もう一度だけこちらから電話を掛ける機会がありました。
7月25日頃(引き落とし予定日の直前)になってもクレジットカードのスマホアプリで見られる引き落とし額が28万円超と表示されたままだったため、心配になって、「アプリで見る限り、数日後の引き落とし予定額がまだ変わってないのですが、本当に銀行口座残高をそのままにしていて大丈夫でしょうか…?」と問い合わせたんです。
すると、「こちらでの対応が二転三転し、またアプリ上に最新の情報が反映されておらず申し訳ありません。前回お伝えした通り、お客様の口座からは7月末には引き落としは行われませんのでご安心下さい。また、不正利用の調査が終わり、6月末に引き落とされてしまった不正利用分の15,200円は、8月7日か17日に返金予定です。その際に7月末に請求されるはずだった正規のご利用分千数百円を相殺します。28万円超の請求もキャンセルされます。」という回答を頂けました!
ネットでクレカ不正利用の実例について調べたときに、調査に1~2ヶ月かかるのは普通のことという情報があったので、私の事例では調査を依頼してから11日と、比較的スムーズに調査完了していただけたのでは、と思います。
また、私がクレジットカード会社から届いた封書に気付かなかったため一旦引き落とされてしまった不正利用分の15,200円は、この後8月7日に無事振込にて返金されました!
そして新しいクレジットカードも8月中旬には日本の住所に届きました。
今回の私の例で経緯をまとめるとこんな感じです。
- 5月26日最初の不正利用発生不正利用に気付かず、このあと6月末に普通に私の銀行口座から引き落とされてしまう。
- 6月27日クレジットカード会社から封書が届く不正利用の恐れがありますという確認依頼の封書が日本の住所に届く。(私はまだ気づかず)
- 7月14日不正利用に気づきクレカ会社へカード停止と調査を依頼窓口①カードは停止できたが不正の証明は自分でAppleに依頼してと言われる
窓口②封書内の連絡先に相談するとクレカ会社がAppleと連絡をとり不正利用の調査に入ると返答をくれる。ただし不正利用分を含む28万円超は一旦引き落としますと言われ、残高不足にしてでも阻止したい気持ちをアピールする。 - 7月16日クレカ会社から引き落としストップ可能と連絡あり7月末に引き落とし予定だった不正利用分込みの28万円超の引き落としはストップしますと連絡をくれる。
- 7月25日こちらから別件で問い合わせた際に調査完了を確認クレカ会社の調査が完了し、不正利用と確認できたため、約28万円超の不正な請求はすべてキャンセルになり、6月末に引き落とされていた不正利用分も返金しますと言ってもらえる。
- 8月7日クレカ会社から引き落とし済み分の不正利用額返金すでに引き落とされてしまった15,200円がクレカ会社から振り込み返金される。
クレジットカード会社の総合窓口ではなく、不正利用を疑って封書をくれたセキュリティセンターに直接連絡したことで話が早くなった印象はありますし、不正利用の請求先がApple1社のみだったことも、調査が早く済んだ要因の1つかもしれません。
特に私のように海外に長期滞在している場合、カードの停止依頼や問い合わせにも国際通話が必要だったり、日本国内の自宅宛ての郵便物をすぐに確認できなかったりと、より対応がややこしくなることが多いと思います。
クレジットカード会社や状況によって対応は変わると思いますが、解決までの経緯の一例として参考にしていただければと思います。
クレジットカード不正利用の予防策について
クレジットカード会社によると、不正利用の原因としては①フィッシング詐欺(詐欺メールに誘導された偽サイトにクレカ情報を入力してしまって盗まれる)②スキミング(ATM利用時や混雑した場所などで、特殊な機械によりクレカ情報を盗まれる)③ネットショッピングの利用(ネットストアへの不正アクセスで顧客のクレカ情報を盗まれる)というような方法が考えられるそうです。
私のところにも迷惑メールはしょっちゅう届きますが、全無視していますし、そもそも日本にいないので日本のネットショッピングもここ1年以上は利用していません。
フィリピンでは店舗で買い物するときも、Lazadaの通販やFood PandaのフードデリバリーやGrabのタクシー配車を利用するときも、基本クレジットカードは使っていません。
スキミングは、日本だと満員電車などでも起こりうるようなのですが、そもそもセブは電車が走ってないですし、私も旅行の時くらいしかクレジットカードは持ち歩きません。
なので本当に原因は不明で、あるとすれば、旅行時のスキミング(空港とか外国人の多いホテルとか?)かなあ、と思いました。
実は、何度かお話をしたクレジットカードセキュリティセンターの担当者さんとの電話中に、情報呼び出しのためにしばらく待ち時間という名の沈黙が生じたときに、ちょっと聞いてみたんです。(こういうところ、私フィリピン人っぽくなってるかも…笑)
「もしご存じだったら教えていただきたいんですが、スキミング防止機能付きのカードケースとかって使ってらっしゃったりしますか?そういう商品があるのをアマゾンとかで見まして、日々カードの不正利用について対応をされてる方やその周りの方が実際にそういう商品を使ってるなら、私も購入してみようかなと思いまして…」と聞いてみたんです。
その方の答えは、NOでした!
もしその方が使ってる、と言っていれば買うつもりだったのですが、今のところ効果があるかどうかはわからないので、今度一時帰国をするときにでも、改めて検討したいと思います。
それから、私が使っているクレジットカードの場合、不正な利用があってから2ヶ月が経過してしまうと補償の対象外になってしまうということなので、たとえ自分のクレカ利用額が少額であっても、ちゃんとクレカアプリで利用明細は毎月欠かさずにチェックしよう!と思いました。
調査中、28万円超の請求が取り消されるまではとても不安でしたし、カードが新しくなった後も、各種サービスの登録クレカ情報を登録しなおしたりと、何かと面倒でした。
フィリピンや海外在住の方、日本にお住まいの方も、気を付けてくださいね!
コメント
私はなるべくクレカを使わない様にしていますが、、
これは大変参考になりました、有難う御座います
私も使わないようにしていたのに、本当にとんだ災難でしたよ…。
今後は気を付けます!