パワープラントモールの寸借詐欺とマニラのタクシー運転手

その他

楽しかった2泊3日のマニラ旅行でしたが、最終日に、フィリピン・セブに住んで12年で初めて寸借詐欺(未遂)に遭いました。
そのときの様子を記録しておきたいと思います。

マニラで寸借詐欺に遭いかけた話

マニラ旅行3日目はPobracionでご飯を食べてから、ロックウェルにあるパワープラントモールへ行きました。
ロックウェルは、マカティ市の中でもジプニーが乗り入れていない特別な地域で、ゲートに囲まれた地区内には高級コンドや高級住宅街があり、本当のお金持ちばかりが住んでいると言われている街です。
整備された地区内のあちこちにいる警備員はきびきびしていて親切だし、通る車(高級車ばかり)はみんな歩行者優先だし(←フィリピンではなかなか無い!)で、とても快適で治安のよいエリアです。

そんなロックウェル地区にある高級ショッピングモール、パワープラントモール内を歩いている時、後ろから「マーム、May I talk to you in English or Tagalog?」と声をかけられました。
振り返るとこぎれいな恰好の50代くらいの男性で、英語ならいいよと言うと、「お財布を落としてお金が無いけど、家に帰らないといけなくて…助けてくれないか?おなかも空いていて…少しだけでも援助してほしい。」ということをかなりたどたどしく話し始めました。
耳が聞こえないか吃音なのか(あるいはそういう設定なのか)、という感じの話し方で、話しながらスマホにあらかじめ英語で打った文章も見せてきて、そこには3985ペソ?が必要で貸してもらいたい、と書いてあります。
すぐに寸借詐欺(交通費をなくした等の嘘で見知らぬ人にお金を借り、返さない詐欺)かあ、と思ったので、「Sorry, I cant help.」とだけ言って立ち去りました。

寸借詐欺の嫌なところは、断った後に「もし本当に困っている人だったら可哀想だったかな…」という罪悪感にとらわれることです。
ただ、少し考えてみても、「フィリピンで3990ペソ=約1万円の交通費って、船使ったりすると相当遠くまで行けるけどどこに帰る気?もうタガログ語圏超えるんじゃない?」とか「身なりも良さげだしスマホがあるなら知り合いにまず連絡して助けを求めるのが普通で、見知らぬ外国人に頼むこと自体不自然じゃない?」と思い、95%は詐欺で確定だろうと結論付けて、普通に買い物を楽しみました。

その後2時間後くらいに、モール内が寒かったのでカーディガンを着て、新しく買った眼鏡をかけ、買い物したバッグも持ってまた歩いていると、後ろから「マーム、May I talk to you in English or Tagalog?」と声がかかりました。
先程と全く同じ文言に、オイ!となって半笑いで振り向きました。
案の定同じ人だったので思わず「ちゃうちゃう私私!もうパス、わかってるから。」とツッコミっぽい雰囲気で言うと、相手はそれまでの人の好さそうな困り顔からすぐに無表情になって「あ…ハイ。」みたいな感じで足早に立ち去りました。
最初の表情が演技なんでしょうけど、無表情な顔が急に悪人面に見え、その落差がちょっと怖かったです。
声をかけられたのは、どちらもモールの端のほうの、警備員のいないところでした。
本当に困っていた人ではなさそうだったことに、少しほっとしましたが、同時にすごくむかつきもしました。

私、寸借詐欺って大嫌いなんですよね。
美人局やトランプ詐欺(数年前に流行っていた、一緒に金持ちからお金を巻き上げようと誘うやつ)も駄目だけど、被害者側の欲や下心を利用している部分もあります。
でも寸借詐欺は、その犯人を善意で助けようとした人にピンポイントで被害を与える分、人でなし度が高いですし、正直クズ中のクズにしかできない行為と思っています。

実は私は今よりずっとピュアでお金も無かった学生のころ、寸借詐欺にお金を渡してしまったことがあります。
日本の、学校近くのバス停で、悲しそうなおじさんにあるトラブルで交通費を無くしてしまったけど家族のところに行きたいと頼まれて普通に信じてしまい、千円を渡しました。
その数日後、大学近くの別のバス停で同じ人が学生らしき人にまったく同じ文言でお金を無心している(&断られていた)のを目撃し、非常にショックを受けました。
彼は大学生なら簡単にだませる、親の金で遊んでいるからとか思ってしたのかもしれないけど、当時学費を自分で稼いでいた私には千円は大きかったので、ものすごく腹が立ちました。
その経験もあって、今でも、寸借詐欺なんかする人は地獄に落ちればいいのに、とすら思っています。

今回、フィリピンで一番お金持ちが多い?と言われるパワープラントモールでこんな被害(未遂)に遭ったので、皆さんも気を付けて、クズにはお金を渡さないようにしてもらいたいと思います。

ちなみにフィリピン在住、もしくは行ったことのある人には、「モール内の有料ではない普通のトイレがこんなに綺麗」というと、パワープラントモールのハイソ感が伝わるかな、と思います。

パワープラントモール内のトイレ1

パワープラントモール内のトイレ2

フィリピンのモールらしからぬトイレのキレイさに2度とも写真をとってしまいました

マニラのタクシー運転手さんに申し訳なく思った話

その後、パワープラントモール前からタクシーで次の目的地に移動しました。
最初はGrab(タクシー配車アプリ。ぼったくり避けのためにマニラ旅行では利用必須)でタクシーを探したのですが捕まらずにいたところ、目の前でちょうど乗客を降ろしたタクシーがあったので乗りました。

するとそのタクシーの運転手さんが、走り出してすぐに、メーター使わなくていい?と聞いてきました。
さっきの寸借詐欺野郎(未遂だけど)のこともあり、たぶん私はそれを聞いた瞬間、すごく嫌な顔をしたのだと思います。(アンタもか、みたいな)
何も言わないうちに運転手さんが恐縮した感じで「ごめん、ギリ100ペソかからない距離だと思うんだけど、最近ガソリンが高くてキツイから、100ペソちょうどをもらえたら、と思って…。でもごめん、メーター通りで大丈夫。」と説明してきました。

この説明、フィリピンに住んでいないと「ぼったくりの言い訳」に聞こえるかもしれませんが、めちゃくちゃ事実で、ある意味まっとうな話です。
例えば、フィリピンではコロナ前はジプニー(タクシーより安い庶民の乗り合いバス)の初乗り料金は7.5ペソでしたが、物価や人件費・ガソリン代の上昇で、先日全国で11ペソ以上に値上がりしました。
それなのに、タクシーの初乗り料金は今もコロナ前と同じ40ペソのままです。(2022年8月現在)
セブの知り合いも、タクシー運転手だけは運賃据え置きで最近のガソリン高の影響も大きくて可哀想だから毎回チップをあげるようにしている、と言っていて、私もそれに共感したので、最近は以前よりも、お釣りや端数をあげるように心がけていました。

私の反応を見てすぐに謝ってきた運転手さんの謙虚な態度に、私も反省して「ごめん、外国人だからといってメーター使わずすごく高い料金にされるのかと思って過剰に反応しちゃった。今タクシーだけパンデミック前と料金一緒で不公平だよね。メータープラスアルファは渡すつもりでいたから、そうさせて。」と言いました。
結局途中で雨が降り出し、少し渋滞したため目的地に着いた時は100ペソを少し超えていました(笑)
「100ペソにしなくてよかったわ」と言いながら運転手さんに150ペソを差し出すと、メーター通りねと恐縮しながらお釣りを出そうとしたので、いやいや最初からそのつもりだったから気にしないで、と言って渡しました。

これまで私は「マニラのタクシー運転手はセブよりも強欲で失礼な人が多い(Grabを使わない場合)」という印象を持ってしまっていたのですが、この運転手さんには、私の反応で嫌な気持ちにさせて申し訳なく思いましたし、謙虚な態度の運転手さんに当たって良かったな、と思いました。

そんな感じで、特にぼったくりにあうこともなく、クズ寸借詐欺野郎にはたぶんあいましたが、総合的に充実したマニラ旅行でした!

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