この間、セブで事業をしている知人と話していて、ある非人道的な行為をした人物が話題になったんです。
そして「その人の家族が弁護士でね…」という話の流れになったのですが、その瞬間私もその人も「出た、家族が弁護士~!!(笑)」という反応になりました。
この反応、フィリピン在住の方なら半数くらいは共感してくれるのではないでしょうか。
別に私が知っているフィリピンの弁護士が実際に犯罪に関わってたとかではないし、決して弁護士=悪人ではないんです。
当然良い弁護士さんもたくさんいるんでしょうけど、悪さする人には大抵がっつり近い関係の弁護士が付いていろいろ指南しているという話が多すぎて、なんというか「悪人の影に身内弁護士あり」、という感じなんです。
フィリピンにいる間に、弁護士という職業に対する私のイメージがずいぶん変わってしまったな…と改めて思いました。
今日はそんな私のフィリピン弁護士についての印象と、ついでにその他のお仕事についても書きたいと思います。
フィリピンの弁護士に対する第一印象
私がフィリピンに移住してきた頃の、一番古い記憶にあるフィリピンの弁護士といえば、イミグレーション(移民局)の弁護士です。当時はドゥテルテ政権前で、役所でのワイロ要求や公務員の腐敗度合いは今よりも酷かったと思います。
(いろいろ言われているドゥテルテ元大統領ですが、治安や公務員の汚職に関しては明らかに彼が大統領だった期間にかなり改善した、と私は思っています)
もう15年以上前の話ですが、当時日本人のスタッフが新規に9Gビザ(ワーキングビザ)を取得するときには、イミグレーションの弁護士に面接をしてもらう必要がありました。私はスタッフの上司としてその面接に何度も同席し、いろんな弁護士さんを見てきました。
もちろん、まじめにきちんと仕事をしている弁護士さんもいました。そういう方は「不良外国人や能力のない外国人にビザはやらんぞ」という姿勢で仕事してるので、面接時の質問などは厳しくてこちらは大変ですが、国のために厳しく審査するのは当然なので納得できます。
一方、ダメな方の弁護士さんは、仕事内容などには一切興味を示さずあからさまにワイロ要求(面接中にお金のマークを手で作られた)・面接中に居眠り(スタッフ一同唖然とした)・令和の日本でやったら一発退場なセクハラなど、漫画みたいな悪い例をたくさん見せてくれました(笑)
そんな感じで、とにかくフィリピンの弁護士に対する私の印象は最悪なところから始まったんです。
フィリピンの弁護士について私が気を付けていること
その後、勤務先の顧問弁護士さんや取引相手の弁護士さん、単発の仕事に応じて依頼した弁護士さんなど、複数の弁護士さんと絡んできた中で、私が自然に学んだことをあげていきます。
- 弁護士はその職務上、会社の構成や各案件の細かい条件などをかなり把握することになるので、乗っ取りや詐欺などの犯罪をやろうと思えばやれる。そのため、対応策を取るにこしたことは無い(関係者全員の連絡先や必須でない情報はぎりぎりまで渡さないとか)
- 単発の仕事の場合、お金があると見られると吹っ掛けられる。「いやぁお金あんま無いのよ…エヘヘ」という感じで行くと、値段交渉には結構応じてくれる。
- フィリピンの弁護士事務所ではパラリーガルという法務アシスタントが複数いて、本来は弁護士が作成チェックすべき書類を、パラリーガルに丸投げしてるパターンがある。
パラリーガルは日本の司法修習生とは違って司法試験に受かっているわけではなく少し知識がある程度なのでミスも多い。 - こちらの弁護士事務所が作った契約書や書類は、日本以上に入念にチェックする必要がある。
単純なミスが多いというのもあるけれど、「この書類を使ってどんな悪さができるか、どうやったら防げるか」も考えるようにする。
最後の書類等の単純ミスに関しては、これまでに名前記載ミス、依頼内容と大幅に違う内容(こっちが損する形に間違えてたり)、テンプレの引用間違いなど数々のミスがありました。
そのミスを見落としたために後々不利益が生じても、その損害を補償してくれるとも思えません。というか現地の弁護士事務所を相手に外国人が損害賠償請求の裁判をするとか現実的でないので、たぶん泣き寝入りです。そうならないために、「これ私の仕事ちゃうやろ…」と思いながら関連する法律を調べたり、書類を自分で直したことが何度もありました。
それから、日本では、弁護士さん=正義の味方とまでは言いませんが、社会的信用のある仕事なので、そんなおかしなことはしないだろう、みたいな信頼があると思うんです。
でもフィリピンでは、目先の利益を優先しておかしなことをする弁護士の事例なんてたくさんあるので、弁護士といえば「犯罪をいかにつかまらないように実行できるか、その方法やテクニックを知り尽くしている人」というのが先に来るんですよね。
あと、職業柄政府関係者や権力者ともつながりやすいので、怒らせたらややこしいとも思います。
もちろん、フィリピンでもロースクールや司法試験(Bar Exam)は難関ですし、弁護士という仕事自体は尊敬される職業ではあります。
この間マクタン島に行ったとき、あるバランガイ(街)の入り口に「うちのバランガイの〇〇ちゃんが、Bar Examに合格しました!おめでとう〇〇弁護士!」という垂れ幕が張ってあって、ああ、町内の希望の星なんだなあ、とほほえましくなりました。
でも、現地の人の弁護士に対する一般的な反応を見ていると、尊敬だけでなく、とても恐れている&警戒している、とも感じます。
私も、若い弁護士(or 権力の後ろだての少ない弁護士)に対してはそこまで警戒することもないのですが、中年以降の経験豊富な弁護士には、顔には出しませんが相当気を付けて対応するようにしています。
それからある時、夜遅くまで残業して私の頼んだ書類を作ってくれていたパラリーガルの女性と、司法試験の大変さや弁護士を目指す人は両親も法律関係の職業であることが多い、という話をしていたことがありました。
その時に彼女から「でも、例えば父親が有名な裁判官だったりしても、司法試験では無記名で受験するから名前書いたら合格、みたいなことは起きないようになってるんだよ!」と、ちょっと自慢気に言われました。
いや、そんなこと言われるまで疑いもしませんでしたよ…?日本人的には、これから弁護士になろうって人がそんな不正するわけないと思うやん…。
(でも考えてみたら、名前書く以外にも、採点者に有力者の子供だと伝える方法なんていくらでもありますよね…)
とにかくそういう発想が出てくる時点で、お金とコネでなんとでもなるフィリピン、を感じてしまいました。
医者について
そんなわけで、フィリピンでは弁護士という職業は、なるのが大変な割に、悪い事をしていなくてもちょっと怖がられる損な仕事でもあるなあ、というのが私の印象です。
一方お医者さんについては、技術力はおいといて(一番置いといたらアカンとこですけど笑)、私は日本人よりもフィリピン人のお医者さんの方がコミュニケーション能力が高い人が多いし、真面目そうな人も多い、と感じています。
たまにいる、ビジネス感覚があるフィリピンの医者はめっちゃ稼いでますし、接待とかも受けまくりで遊んでるんですけど、そうでない医者はそんなにお金持ち感を出してなくて、日本の医者よりずっとHumbleというか謙虚で控えめ、ちょっと聖職者みたいな雰囲気すらある人もいます。
この違いは不思議です。
私的には、フィリピンでは弁護士よりも医者の方がずっと好印象です。
フィリピンでモテる職業:エンジニア
フィリピンでも弁護士・医師はともに収入が高く、なるための努力も必要なので、(ちょっと怖がられたとしても)やはりこの国でもモテる職業とは言えると思います。
あとはフィリピンでは教師が日本よりも尊敬されている印象を受けます。
公務員は尊敬というよりは、職権乱用しやすくて羨ましがられる職(自慢になる、家族親類に何らかのメリットがある)なんだろうな、と感じています。
フィリピンでは公務員がプライベートでも「公用車」と書いてある車を乗り回して目立つところにデデンと無断駐車してたり、業務時間外でもあえて公務員と分かる制服を着たまま行動して周りを威嚇する(そう見えるだけかもしれないけど笑)、というのも、日本にはまず無い感覚だな~、と思います。
ところで、以前フィリピン人の女性同僚たちと話していて、男性の職としてエンジニア(技術者)の人気がとても高いことを知りました。
確かに、ITでも建築でもエンジニアはフィリピンでは高収入職と思われていますし、そういう技術を身に付けた人はこれから発展していく国ではより重宝されますよね。
実際お給料も良く、仕事も選びやすいことが多いようです。
日本では、医者とか弁護士とかに比べてエンジニアってそこまでちやほやはされてないと思うのですが、こっちではエンジニアの方が総合的に見て女性にもてるんじゃないかと思います。
というのも、私がフィリピン人女性同僚たちにある日本人男性を紹介した後に、彼の日本での職を聞かれてエンジニアだよと教えた時の皆の反応がめっちゃ良かったんです。
最初興味無さそうだった子まで、マジで!☆♪ってなってて、そんな食いつく…?って驚いたことを覚えています。
なので、日本人男性でエンジニアの人は、フィリピンでは積極的にアピールした方がよさそうです。
警察官について
フィリピンの警察官については、私個人としては10数年の間、接する機会はほぼありませんでしたし、警察とかかわってなにか不愉快な思いをしたことも幸いゼロなんですよね。
ただ、知り合いの知り合いとか、現地在住者から聞く警察に関する話は、たいてい嘘やろ?みたいな極端に悪い話です。
ニュースに出てくる警察官の不祥事も、殺人とか虐待とか犯罪組織との癒着とか薬物とか、全然軽犯罪じゃないシリアスなものが多く、日本人としてはドン引きです。
あと、以前女友達が警察官に熱烈にアプローチされていた時、彼女に対して別の友人が「警察官?やめとき、フィリピンの警察官で性格良いなら確実に貧乏だし、お金持ってたら確実に犯罪者とつながってる」と断言していて、なにその身も蓋もない断定…!とツッコミつつも、ちょっと納得した自分もいました(笑)
少なくとも、フィリピンでは警察官はモテる職業ではないのかもしれませんね…。
私がフィリピンの男に生まれたらなりたい職業No.1
弁護士その他の仕事について書いていたら、なんだかとりとめのない記事になってしまいましたが、とりとめないついでに、私がもしフィリピン人男性として生まれていたらなりたかった職業を発表します。
K9 handler(ケーナインハンドラー)です!
警察犬とペアで警備等をしている、たぶん警察の中の専門職です。
フィリピンでは、空港だけでなく大きめのモールなどにも警察犬とそのハンドラーがいることが多くて、とにかく賢そうな大型犬と仲良さそうに仕事してるハンドラーがかっこよく見えるんですよね。
逆に、この仕事に就くのはいくらお給料が良くても怖いな、と思うのは、Traffic Enforcerです。
フィリピンのカオスな交差点のどまんなかでTraffic Enforcerが生身で交通整理をしているのを見かける度に、私みたいなうかつな人間がやったら、初日で車にひかれて終わるだろうな、といつも思います。
↓(フィリピンのTraffic Enforcerの参考動画)
最後に貴重なK9(警察犬)とハンドラーの可愛い動画を見てください。
仕事中の犬は邪魔しちゃいけないと思っていつも遠くから見守るだけなのですが、この時は目の前を歩いていたので、思わずテンションが上がって動画を撮りました。
フィリピンのK9はこの黒いラブラドールが多くて、可愛いです。
日本人在住者の方は、もしフィリピン人として生まれていたらどんな仕事につきたいですか??
良かったら教えてください!


コメント
K9はアヤラにもいて、ハンドラーさんが遊んであげてるのを見たことがあります!周りも微笑ましくみてる感じで、あれがお仕事なの羨ましいと思ってました!😂
私もコンドオーナーとトラブルになって、各方面の方々と関わる機会があったんですよ。バランガイキャプテンやスタッフさん達、警察、税務署など。
皆さんにものすっごい親切にして貰ったし、迅速丁寧に事が進み、警戒してたような賄賂請求は雰囲気すらなく、悪印象は0なのですが。
何せ数が多いんだろうと思うので、入り口段階でフィルターされてる感じはあって、下準備して理論武装しておかないと突破が難しいかもなと思いました。日本だとたらい回しと言われつつ色々と案内されますが、あれがない感じですね〜。
このトラブル関連で嫌だと思った事は、割と有名コンドの管理事務所マネージャーが、バランガイからの要請をトラブルに関わりたくないからという理由で断った事です。
まあ断られても支障なかったのですが、日本ではあり得ないので、やっぱり社会上の仕組みを軽んじる人がその辺にいるんだなあ…こういう事があるから物事が無意味に進まないんだなあ…と思いました
ソフィさん、こちらに来て割とすぐにそんなトラブルにあって、大変でしたね。
でも皆さん親切で良かった!(やる気ないコンド管理マネ以外)
なんかフィリピンの役所とか会社で働いてる人って、日本の一般的社会人より確実に「ちゃんとしてない」「システムも明文化されてない」けど、すごく親切だったり交渉によって急にスムーズになったり、漫画みたいなダメっぷりを見せてくれたり(笑)するので、面白いとこもあるんですよね。
対応してる最中は、あーもう面倒!日本ならもっとすんなり行くのに…と思うけど、杓子定規でない人間味のある対応してくれるのは、悪くないというか。
そして、フィリピンのモールでのK9、めっちゃ癒しですよね!!まじであの仕事羨ましいです。