私はフィリピンに住んで15年ほどたちますが、先日、初めて警察署に行ってきました。
といっても何か事件や事故にあったわけではなく、Police Clearanceが必要になったからです。
Police Clearanceとは
Police Clearanceとは、その人の警察での犯罪歴の記録を示す書類で、日本語では「警察証明」「無犯罪証明書」などと訳されます。
日本の警察でも同様の書類はあると思いますが、一般の人はあまり縁がないですよね。
フィリピンではもう少しだけ身近な書類で、確か警備員やドライバーを雇う際にはこの証明書を提出させて、前科が無いことを確認する、と聞いたことがあります。
それから、今回知ったのですが、フィリピンでは新卒の若者が初めて就職するときはPolice Clearance取得料が無料になるという公共サービスがあるようなので、他の職種でも会社の方針によっては結構提出させるものなのかもしれません。
外国人の場合、ビザを新規申請するときにNBI Clearance(国家捜査局による無犯罪証明書)もしくはPolice Clearance(警察による無犯罪証明書)の取得が必要になる場合があります。
私も、大分前にフィリピンでの労働ビザを初めて申請した際に、確かイミグレ近くのNBIでNBI Clearanceを取ったような記憶があります。
今回はある用途でNBI もしくはPolice Clearanceが必要になり、近場の警察署でとれるPolice Clearanceの方を取ってみることにしました。
フィリピンPolice Clearance取得・事前のオンライン登録と手数料支払い 約10分
まず、事前にオンラインで登録や予約をする必要があるということで、フィリピン警察のPolice Clearance専用ページへ行きます。
Login(アカウント取得済みの人)/Register(新規アカウント登録)のうちRegisterを選び、プライバシーポリシーや注意事項のウィンドウが開くので了解のチェックを入れてから、このページに自分のメールアドレスや名前、性別などを入力します。
次の画面では、住所や出生地、両親の氏名などを入力していきます。
フィリピンの役所ではたまに聞かれる項目なのですが、「身長」「体重」「肌の色」「宗教」「血液型」「最終学歴」「両親の出生地」「母親の旧姓」などもありました。
選択式の項目が多く、特に困るような点もなく次に進むと、Police Clearance受け取りのために希望日時や警察署を指定する画面が開きました。
Google Mapで見たところ、ITパークからはマボロ警察署が一番近そうだったので、Maboloと入れて目的の警察署(PS 04 Mabolo)を選択し、カレンダーで翌日の午後(午後1時から5時の間)を選択しました。
このあと、Police Clearance発行手数料150ペソを事前にオンラインで支払うための画面が出てきます。
私はフィリピンでメジャーな電子マネー、GCashを選択しましたが、他にも銀行カードなど支払い方法はいろいろありました。
このあたりで気づいたのですが、このページ、他のページよりやたら重かったです。
GCashで支払う場合、支払い手数料が30ペソ余分にかかるので、合計180ペソを無事支払えましたが、ページ遷移の度に結構待たされてちょっと不安になりました。
無事支払い完了すると、翌日の警察署での予約参照番号(Referenc Number)が表示されるので画面のスクリーンショットをとっておきました。
支払い完了のメールも届いたので、メールやスクリーンショットが入ったスマホと、ID(パスポートと一応ACR I-Cardも)を持って翌日警察署へ行きました。
入力→予約→支払い完了まで5分程度でしたが、ページが重くて実質10分くらいかかったと思います。
ちなみに、翌日マボロ警察署の向かいにある商業施設APM Centralモールに立ち寄った際、APM Central2階のガジェット屋さんで「Police Clearance取得のための登録・入力・予約作業を代行します」という表示を見たので、有料でも人に頼みたい方はそういうところを利用すると良いと思います。
Police Clearance取得・マボロ警察署(SM近く)約25分
翌日の14時すぎ頃、予約したマボロ警察署へ行きました。
実はITパークからSMへ向かう時、いつも目に入っていて外観は知っていたので、今回はジプニー(04L、ITパーク→アヤラ→SMのルートのSM手前で降りる)で向かいました。
ここです。
なんというか、結構ローカル感すごいですよね…!
フィリピンの警察ってもうちょっと潤ってるイメージを勝手に持っていたのですが、ここ数年で行ったフィリピンの役所の中でもダントツにお金かかって無さそうな建物でした。
しかも暑かったのでクーラーのきいてそうな屋内にさっと入って奥へ進もうとしたとたん、中にいた警察の人なのかなんなのかわからないお兄さん達に止められ、「Police Clearance取りに来たの?ならこっち!」と屋外に出されてしまいました。
(嫌がらせっぽくは無かったので、なんか建物内でややこしい事でもあったのかな?とちょっと思いました)
上の写真の正面玄関の左側に、Police Clearance受け取り窓口があり、既に2人待っている人がいました。
私の順番が来るまで、大体15分くらい待ったでしょうか。
自分の番になったので、まず担当の方に昨日の登録完了画面のスクリーンショットと支払い完了メール、パスポートを見せました。
ACR I-Cardは無いの?と聞かれたので一応持ってきていたものを渡し、そのまま担当の方がID類をコピーしたりPCに何やら入力していくのをちょっとドキドキしながら見守ります。
やましいことは一切記憶に無いのですが、ここで警察のデータベースに何かの間違いで私の情報が引っかかったら一体どうなってしまうんだろう、さっきのお兄さんたちが集まってきて取り押さえるのかな、などと考えます。
ただ、警察の方は、親切心からか(?)いろいろカジュアルに質問してきました。
「どんな仕事してるの?」「結婚はしてるの?」「なんで一人なん?」「いつ別れたん?…あっコロナで死んだとか…?」「なんで別れたん?」…いやもう最後警察関係ないやろ…と思いながらも、フィリピンの役人の機嫌を損ねたら面倒なので、愛想よく適当に説明しました(笑)
これ、日本の公務員がやったら、絶対SNSに書かれて炎上しますよね。
フィリピンでは役人に限らず、おっさんたちがためらいなく「女性に独身の理由を聞いてくる」「既婚だというと、なぜ子供を作らないのか、いつ作るのか聞いてくる(いろいろ面倒で結婚してると答えてたこともあったけど、この質問を受けるのが嫌でやめました)」ので、その度に「あんたらデリカシーのデの字もあらへんな」とあきれます。
あきれるんですが、もう慣れてしまって、もし今日本の役所に私が行ったら、失礼な発言や冗談が無さすぎて、逆に物足りなく感じてしまうかもしれません。
そんな感じでよくわからない質問を受けつつも、たぶんデータの検索が無事終わり、次は指紋を取りました。
10年以上前、NBI(国家捜査局)でクリアランスを取った時は確かインクで手を真っ黒にして指紋をとったと思うのですが、さすがに現在は電子化されていて、指紋スキャナーで両手の全指を2回ずつスキャンして登録していきました。
私も左薬指のスキャンの時、「Next, 次ring finger(薬指)入れて」「OK、私のバージンring fingerね」「笑」みたいなしょーもない小ボケを入れてしまいました。
その後、指紋スキャナーの左にある署名用タブレット(日本のお店とかでも良く見るWacomのやつ!)にパスポートと同じサインをして、ウェブカメラで写真を撮影されたら終了です。
無事Police Clearanceを受け取ることができました。
データ検索や指紋登録でひとり10分ちょっとはかかる感じでした。
結果と感想
こちらが今回取得したPolice Clearanceです!
無事、犯罪歴無しが証明されました!
ちょっと思ったのが、今回のことで私の全指の指紋データが警察に保存されてしまったので、今後もし私が悪いことをして現場に指紋が残っていたら、すぐに警察で照合できてしまうなあ…ということです(笑)
一切その予定はないけど、「警察に指紋データを押さえられている」という事実にはちょっと緊張感がありますよね。
でも、例えばこの警察への指紋の登録作業を日本でも義務教育終了時とか、成人式後とかに強制的にあるいは商品券でもつけて実施したら、日本の若者が闇バイトとか変な犯罪に走るのをちょっと抑止できないかな~とかも考えてしまいました。
少なくとも私には、今後もまっとうに生きよう、と思う機会になりました。
最後はよくわからないまとめになりましたが、フィリピンでPolice Clearanceを取る方、2024年3月時点の手順や所要時間についてなど、参考にしていただければ幸いです!
コメント
たぶん地元のラッパーが外国人をウォーターフロントホテルで射殺して勾留されてるのでそれでだと思います。
まじか…笑 これですね!
https://mb.com.ph/2024/3/18/cebuano-rapper-shoots-american-in-bar-fracas
マボロポリスステーションって書いてますわ…。
あの奥でいろいろやってたんですね。
私を止めてくれたお兄さん達(10代に見えた)、親切そうだったけど警察じゃなくて家族とかなら切ないですね…
Iさん情報ありがとうございます!